~親友という名の絆~
「もうそんな時間か…。じゃあ早くしなきゃ。明日は大事な試合だしね。」

伸びをしながら私は、のんびりと答えた。


私達は、中学で同じバスケ部に所属している。

去年の大会では、ベスト8に入ることができた。

でも、私達の中学ではバスケは人気とは言えない。

やるとしても体育の授業でやるくらいで、クラブに入ろうという人はほとんどいない。


だから今はギリギリの人数でやっている。

9月に入って始まった秋の大会では、順調に勝ち進み明日ある試合で勝てば、優勝出来るというところまできている。

それに、明日の試合で勝てば2人分のバスケの名門校・園田高校の特待生枠が貰えるかもしれないのだ。



バスケ選手になりたいと思っている、私と遥にとっては願ってもないチャンスである。


「薫ーーー!!早くしないと置いてくよー!」

少し前を歩いている遥が手を振っている。

「ごめん、ごめーん!今行くーー!!」

私はそう答えて、手を振り返した。




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