~親友という名の絆~
今ボールを持っているのは都
その都と目が合った
『薫さん、行きますよ!』
目がそう言った
私が軽く頷き返した直後、都はボールを投げた。
思い切りジャンプして手を伸ばす。
側にいた人も気付いてジャンプする。
私がボールをキャッチするのと相手がボールを叩くのは同時だった。
叩く力もボールのスピードも意外と強かった
空中で私はバランスを崩した。
ドサッ
音と共に会場は静まり返った。
「薫、大丈夫?」
遥が駆け寄ってきた。
「うっ…うん、大丈…」
ズキンッ
そう言って身体を起こした時だ
右手首に鈍い痛みが走った。
「っ…」
反射的に左手で手首を覆った。
「もしかして…」
「大丈夫ですか?」
そのまま座り込んでいると審判の人が来た。
「怪我ですか?」
手を抑えている私に気がついてのぞき込んできた。
「あっ…あの…」
私は審判を見上げて何か言おうとしたけど、その人は私をベンチへと促した。
ベンチに帰った時には腫れていた。