~親友という名の絆~
「……」
「……」
会場の歓声がやけに大きく感じる。
第4回ピリオドが始まったのかな?
「……」
「薫、少しの間だけなら…」
翔が口を開いた。
「痛みと腫れ、抑えてやってもいいぞ。」
「出来るの?そんな事。」
壁に寄っ掛かってる翔を見上げる。
「当たり前だ。俺を誰だと思ってんだよ。
ほら、手ぇ出せ。」
言われたとおりに手を出す。
翔は手をかざし、何やら呪文の様なモノを唱え始めた。
すると微かにあった痛みが消えていく。
「…すごい…」
「でも俺独りだけの力は弱い。
だからしばらくすれば痛みも腫れも戻る。」
「分かった。ありがとう、翔。」
私は笑って返した。