*。゚.・人魚姫・.゚。*
 


「ったく・・・
自分の部屋で寝ろよな。」


聞き覚えのある
少しこもった低い声が降ってきた



────翼っ!


布団をガバッと捲り翼に抱き付く

普段なら絶対にしない



まるで新婚夫婦の出迎えの様だ・・
っと少しでも思ってしまった
あたしは相当なバカ



でも──

今だけは許して??


翼はあたしが一番信じてる人だから
たとえ姉弟だとしても
それは変わらない・・・


「おかえりっ!早かったね。」



強く抱きつき過ぎたせいか


翼はぐえっと変な声を出した



抱きついたあたしを翼は


宥(なだ)めるように髪を撫でた







.
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