夜桜
「大丈夫?」
昨日と同じ様に、気が付けば隣に人が立っていた。
驚いて、顔を上げ、その人を見た。
その瞬間、あたしの目にはたくさんの桜が見えた気がした。
桜の中に見えたのは…
「あれっ?!……華恋ちゃん!!?」
蒼……の姿だった一一一一一。
「えっ……?!うそ……」
目をこすったら、もう桜は見えなかった。
「華恋ちゃんだよね?!俺!蒼!分かる?」
「はいっ…!!分かります!」
信じられない……!!
「びっくりした~!!華恋ちゃん、この学校なんだ?!」
「はい!あたしもびっくりで……」
「ねー!……てか、ごめん!俺だけタメで…馴れ馴れしい?」
「えっ?!全然です!」
「良かったー…、そえばさ、歳聞いてなかったよね」
「ああ!そういえば…」
なんだか不思議なかんじがした。
あたし…蒼のこと…名前しか知らなかったんだ。
あまりにも蒼が話しやすいからかな…。