夜桜
「お姉ちゃん…おはよー」
眠かったけど、大声のせいで一瞬にして覚めた体を持ち上げて、あいさつをする。
「おはよーじゃないよっ!時間やばいからね?!」
「うん…まあいいや…」
「よくなーいっ!!ほらっかして!アイロンかけてあげるから」
お姉ちゃんはベッドから降りたあたしの髪を掴んで、机の上にあったヘアーアイロンを丁寧にかけてくれた。
「ありがとーお姉ちゃん」
「いいよっ♪ほら、早くご飯食べて!リビングから持ってきてあげたから」
言われるままに、パンを頬張る。
あたしのお姉ちゃん、橋本恵麗奈(はしもとえれな)。
あたしと小さい頃から仲良しだったお姉ちゃんは、美人。
あたしと違って大人っぽくて…。
すごく優しいし、世話好きの素敵なお姉ちゃん。
あたしの3つ上で20歳。
「お姉ちゃん、今日は仕事?」
「うん!!がんばるよ~」
そしてお姉ちゃんは見習いの心理カウンセラー。
あたしはすっごくお姉ちゃんに合う仕事だと思う。