心 の 隙 間
夜になり、遊園地ももうすぐ閉園。
あたし達は七実の夢ということで、最後に観覧車に乗ることになった。
もちろん、七実は平野先輩と。
あたしはハル先輩と乗ることになった。
「…。」
『…。』
観覧車に乗り込んですぐこの沈黙…。
七実のバカーッ!
さっき変なこと言うから、何か話しづらいし。
「せっ先輩!景色キレイですねっ」
『そうだね。』
先輩もなんかしゃべんないしーっ!!
てゆうか、観覧車って近いよ〜……。
外の景色に見入るフリをするあたし。
『苗ちゃん?』
「…はい?」
……うわっ。
振り向くと、目の前には真剣な顔でこっちを見る先輩。
あまりの顔の近さにおもわず目をそらしてしまった。
『…苗ちゃん?』
「はっ…はい。」
『元彼ってどうゆう人だった…?』
………え?
相変わらず真剣な顔の先輩。
先輩に宏人のことを聞かれるのは初めてだった。
「せっ先輩どうしたんですかあ〜」
こういう空気になれていないあたしは、無理に笑う。
観覧車はもう頂上まで上がっている。
そのとき、先輩があたしの手を握った。
「……先輩…?」
『俺じゃダメ?』
………え…?
…何言ってんの…?
『俺じゃ、元彼の代わりにはなれないかな…?』