心 の 隙 間
「…………………え?」
その雑誌には
【倦怠期カップルの解決法】
そう大きく見出しが載っていた。
どうやって倦怠期を乗り越えるか?
アドバイスやエピソードが細かく載せられていた。
………嘘。
…何…コレ………?
ガチャッ
『お待たせ〜』
その時、宏人が部屋に戻ってきた。
『…?何読んでんの?』
宏人はあたしが持っている雑誌に目をやる。
『……………………………………あ。』
「ご…ごめん。勝手に見ちゃって。」
あたしは勢いよく雑誌を閉じ、謝った。
『………。』
「………あ…あたしこんな時間だし、帰るね…っ。」
急いでバックを持ち、ドアの方に向かう。
バタンッ…
『あらあ〜?苗ちゃん、久しぶりに来たと思ったら、もう帰っちゃうの〜?』
「…あ。おばさん…っ…。はい。」
玄関で宏人のお母さんに声を掛けられた。
『そっか〜…。またいらっしゃいね?』
笑顔でそう言ってくれるおばさん。
あたしはペコッと頭を下げると、急いで玄関を出た。