心 の 隙 間
「はぁ〜…」
あたしはまたため息をついた。
つかあたし、今日何回目だ!?
幸せ逃げまくりじゃん。
そんなことを考えていたら、携帯をいぢっていた宏人と目が合った。
「…あ、ごめん。待った?」
『平気。帰ろ?』
「うん…。」
あたし達は学校を出た。
『…。』
「…。」
あ〜。
気まずい〜…。
あれから結局一言も会話なし。
相変わらず宏人がおす自転車の車輪の音だけが響いている。
前は話題が尽きるなんてありえなかった。
楽しくて楽しくて楽しくて…。
すごく幸せだった…。
何があたし達を変えたのだろう…?
付き合うって…
付き合うって……
もっと楽しいことだよね?
もっと…幸せなことだよね…?
……今のあたし達は?
あたしは歩く足を止めた。
「宏人…。」
『ん?』
宏人も足を止め、ゆっくりとあたしの方を見た。