心 の 隙 間
それからあたし達は約束通り、
放課後に学校の近くのファーストフード店に向かった。
「ほんとにさ〜、うちの学校って無神経なやつばっかだよ〜。」
『だよね〜。本人に直で聞くとかありえないんだけど。』
あたし達はもうお店に入って二時間近く愚痴を言い合っている。
『あれ〜?俺らの学校と同じ制服だ〜。』
あたし達が愚痴っていると、後ろからそんな声が聞こえてきた。
振り向くと、あたし達と同じ学校の制服を着た男子生徒が数人立っていた。
その集団は、あたし達の席の近くに座り、その中の一人が話しかけてきた。
『ねえねえっ。二人で来てんの〜?』
「あ〜、まあ…はい。」
…あ。
この人見たことある。
茶色の明るい髪。
目鼻立ちがよく、くっきり二重の目。
あっ、そうだ
"ハル先輩"
だ。
すごいモテて、
同じクラスの子達も、格好いいと、キャーキャー言っていたのを思い出した。
『…ハル先輩‥…?』
隣にいた七実も同じことを考えていたらしく、そう聞いた。
『そう!あれ〜、俺のこと知っててくれてたんだあ?うれしいなっ。』
そう言って、ハル先輩はニッと笑った。