心 の 隙 間
はあ〜…
どうしてこんなことになってしまったんだろう…。
七実はさっきの集団の中の一人、スポーツ刈りの人と何やら楽しそうに話し始めている。
そして、あたしの隣には、笑顔の"ハル先輩"。
はあ〜
帰りたい…。
『君、何年生?』
相変わらず笑顔で聞いてくる。
この笑顔にみんなはやばいらしい。
「…2年生です。」
『へえ〜。1こ下かあ…。名前は?』
「…寺本 苗です。」
『え?寺本 苗?
…あっ!破局の子!?』
「…まあ。はい…。」
うーわ。
最悪。他の学年まで知ってんのかよー…。
『へえ〜。そっか君なんだあ。』
「…はは。」
もうやだ〜。
また理由とか聞かれそう…。
『あっ。ちなみに俺の名前は、橋野 春樹。よろしくね。』
「へっ?…あ、はい。」
理由を聞かれると思っていたあたしは、思いっきり声が裏返ってしまった。
『はは。声裏返ってちゃってるよ。』
ハル先輩は、
そう言ってジュースを一口飲んだ。