悪魔? or 天使?(下)
『私に人を診察する資格なんてあるんでしょうか。
自分の生きる道すらわからないような人間が、人に哲学なんて説いていいんでしょうか…
私、自分がわからないんです』
優里は後悔を孕んだ表情で一点を見つめる。
『答えは見つかりませんでした。
だからやり直すことにしたんです。
新しく生まれ変わって、自分を探してみようと思います』
「残された人の気持ちも考えずに、そんなこと…」
『それじゃあ美玲ちゃんはどうなんですか?』
優里の言葉に、時が止まったような不思議な感覚に苛まれる。