悪魔? or 天使?(下)
人が死ぬっていうのは、そういうこと。
「よさないか……。彼女だって動揺しているようだし……
ごめんね。少し席をはずしてもらえないかい?」
「はい。では、失礼します」
あたしは二人に会釈をしてから病院をでた。
『私がいますからぁ』
彼女特有の間抜けな口調が脳裏に蘇る。
優里は、嘘つきだ。
冗談じゃない。
一緒に暮らそうって言ったのに。
湧き上がってくる思いは、悲しみよりも怒りに近かった。