悪魔? or 天使?(下)
あたしはそっと笑みを浮かべる。
静かなる詐欺師の笑みだ。
「優斗君、あたしはまだ心から笑うことはできない。
だけどね?これだけはわかった」
そして確信する。
「優斗君は無駄なんかじゃなかった。
あの時、見つけてくれたのが優斗君じゃなかったらダメだったと思う」
「…美玲ちゃん…」
優斗君は力なく微笑み、唇の端を無理やり持ち上げる。
「…せっかくあきらめようと思ったんだけどなぁ…。
そんなこと言われたら僕、勘違いしちゃうよ?」
「いいよ。それはきっと勘違いじゃないから」