赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
ストレート
「やっぱ、俊の人気は絶大だなぁー。」
「ホントに。すごいっすよね。」
あたしから受け取ったタオルで汗を拭く皆。
スポーツドリンクを飲みながら俊先輩は首を傾げる。
「そーかな?
皆の方が凄い人気だと思うけど。」
そんな言葉に部員皆は反論する。
「先輩!
自覚なさすぎっすよ!」
「そーだよ!
お前、毎日のように告られてんじゃん。」
やっぱり、俊先輩はモテモテなんだなー。
その自覚のなさも好き。
「それで人気ないなんて言ったら、全国の男子に失礼っすよ。」
そーだそーだ、と言う男子にあたしは首を傾げた。
「でも、俺はモテるって自意識過剰な人よりよっぽどいいと思うけどなぁ。」
「自意識過剰じゃなくて、自信過剰な。」
空のペットボトルで、パコンとあたしの頭を小突く。
後から来たそいつにタオルとスポーツドリンクを渡した。
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