赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−



「バカなくせに難しい言葉使おうとすんなよ。」

『余計にバカに見える。』と、言いながらキャップを開けた。



「なっ、どーいう意味!?

あんただってバカじゃん!」


「俺はお前よりはバカじゃねーの。」


「あんだって!?」




また始まったかと溜め息をつく皆の中から、一人声を出した。



「なーなー、自信過剰と自意識過剰の違いってなに?」



あたしの方を向いてた翔ちゃんが皆の方を向く。



「あー。

自意識過剰ってのは、周りを気にしすぎることで。
自信過剰ってのが、まあ、いわゆるナルシストってやつ。」



ほう。と皆が納得すると、またさっきの人が言った。


「お前、そーゆーとこは頭いいんだな。
てか、うんちくのみ。」




ピクリと眉を動かした翔ちゃんは、『うるせーな。』とあたしに対してよりも、優しく言った。






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