赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
「・・・ん?
何してんの?」
大きいエナメルバックを肩から下げ、腕まくりしてる手首にはリストバンドが付いていて。
それで汗を拭ってる。
う。
悔しいけどファイブプリンスだけあって・・・さまになってる。
なんて、小さく納得させられてしまった。
「何って、朝練。
つか、自主練?」
『そっちこそ何してんの?』と聞くと、『ユニホーム、邪魔だから置きにきた。』と、袋を上げてみせた。
部室に入ってくのを見た後振り返ると、キョロ介が目を丸くしてる。
「ん?なに?」
「あ、いや。
仲良いなーと思って。」
「あー。しょ・・・
鹿波は、幼なじみだしね。」
危ない危ない。
翔ちゃん、なんて言ったらただでさえ怒るのに、人前でなんて。
絶対殺される!
「や、でも。
普通恥ずかしくなったりするんじゃないの?」
「んー。
なんか、ないんだよねー。
あ、恋愛対象じゃないからかな。」
「え。でも翔は違うかも・・・」
「んなわけねーだろ、気持ち悪い。」
部室から出てきた翔ちゃんは、キョロ介の頭をぐしゃぐしゃにした。
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