赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−



「起立、礼。」

「「ありがとうございましたー。」」


少し薄れる語尾。

皆、挨拶をし終えると、一気に騒がしくなった。


早く行かなきゃ、部活遅れる!


エナメルバックを勢いよくつかみ取ると、先生が顔を上げた。


「あぁ、言い忘れた。

放課後、というか今から、保健委員は保健室の隣の教室行けー。」




・・・え゛。

ドアに向かいかけたまま、顔を担任に向ける。


「そう、お前だよ成瀬。」














・・・まじっすかーーーーーー!?



だが、数秒後。

あたしの顔は笑顔に変わることになる。




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