赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
「あ、キャプテン!」
男子部員の声に振り返ると、俊先輩は苦笑いをした。
ゴメンとも言えないよね。
見かけは、仕事なわけだし。
それに・・・
それを頼んだ会長を先頭に、ファンクラブ。
その姿を見て、皆から笑顔が消えた。
ファンクラブの人達は、ぞろぞろと二階へ上がり、キャーキャーといつものとおり叫び出した。
はぁ。
どうせ、クラブ専用のコピー機使ったんだろう。
そこまでして関わりたいのか。
大会前の部活にヤな影響与えといて。
今時そんなマナーの悪いファンクラブないっての。
ジャ○ーズでもあり得ないぞ、こら。
バスケ部全体が、困ったように苦笑いをして練習を再開する。
そんな中、翔ちゃんは一人不機嫌そうな顔をしていた。
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