赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
低く小さく呟いたその声で、体育館は静まる。
後ろ姿だったから、どんな顔してるのかわからなかったけど。
ファンクラブの子達の表情が凍りついてる。
「誰かを好きになることは自由。
だけど、悪口は言っても誰もいい思いしないだろ。
止めよう。な?」
いつもより優しい口調。
でも、たぶん怒ってる。
怒ってるのを必死に隠して、皆の気持ちを抑えるんだ。
翔ちゃんの凄いところの一つ。
『ごめんなさい』と、素直に謝るファンの子達に対して、
あたしも、バスケ部皆、優しく首を振った。
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