赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−



ハンガーにかけて天日干し。


「んー、天気いいねぇ。」

「うん。最近晴れてるよね。」



心地よい風を受けて、静かにその涼しさを吸い込んだ。



その時、



ピーッ!!


力強い笛が体育館中に鳴り響く。




「何してんだ!
危ないだろ!!」


厳しい顧問の前田先生こと前ちゃんが叫ぶ。

うへー、こわっ。


また一年生ファールしたか?


と、前ちゃんの目線の先には翔ちゃん。



えっ、まさか翔ちゃんが怒られたの!?


「すんませんでした。」

「もういい。
お前、次の試合出るな。」


その瞬間、体育館内が凍りついた。



今まで、ファイブプリンスは試合に出続けてる。


あたしたちが一年生だったときも、4人は出てたし。

私たちが入学する前も、先輩2人は出ていた。



・・・今までこんな事はなかった。




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