赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
翔ちゃんは唇を噛み、下を向いた。
「出なくていい。」
前ちゃんは改めて言い聞かせるように呟いた。
「すみませんでした。」
深々と頭を下げた翔ちゃんは、前ちゃんに対してだけじゃなくて、メンバーにもこの体育館にいる皆に謝ってるみたいだった。
そのまま、部室の方に出ていってしまう翔ちゃん。
追いかけようとするファンの子達を、前ちゃんは止めた。
「今は、そっとしておけ。」
何があったのか、マネージャーの仕事をしていたあたしにはわからなくて。
前ちゃんに駆け寄った。
.