赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−




そんな龍ちゃんは、あたしを見てふふっと可愛く笑った。


「・・・?」

「先輩、可愛いですね。」




・・・・・・・・・なっ!


「龍ちゃんの方が可愛いよ。」

「俺は、可愛くないです。」


急に不機嫌になる。



あ、もしかして。
可愛いって言われるの苦手か?


「可愛いよ。」
「可愛くないです。」
「可愛いって。」
「可愛くないですって。」

「いやいや、可愛・・・」

可愛い、って言おうとしたら、
龍ちゃんは人差し指をあたしの口に当てる。



「それ以上言ったら、チューしますよ?」







いたずらに微笑む龍ちゃんに引き込まれそうになった。






・・・な、なんか。
いきなり大人っぽくなってない?




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