赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−



聞こうと思ったけど、洗濯物を龍ちゃんが持っていこうとするから、慌てて止めた。


「龍ちゃんっ、あたし持ってくから!」

「いいですよ、持っていきます。」


「や、あたしたちの仕事だし。

あ、龍ちゃん練習時間だってよ?」



苦しまぎれに指を指すと、龍ちゃんはにっこりと笑って頷いた。




くっ。
か、可愛い!



龍ちゃんを見送ってから、しゃがみこむ。





・・・うん。しょうがないな。

しょうがない。


だって皆かっこいいんだから。

あ、龍ちゃんは可愛いけど。




ドキドキしないわけがないんだよ。






開き直ったあたしは、

「本命は俊先輩だけど。」

一人でつぶやいて洗濯物を持った。






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