赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
スタート
「考えすぎじゃん?」
モップの棒に片手を掛け、その上に顎をつけている絵梨。
部活が終わったら、マネージャーの仕事をしてからじゃなきゃ帰れない。
正直、めんどい。
けど、絵梨が来てくれてからこの時間も嫌じゃなくなった。
さとちゃんは塾や習い事で忙しいから、部活後はいない。
だから、ずっと一人だったんだよねー。
「そっかなー。
なんか変な感じすんだよねー。
隠し事されてるような。
モヤっとしたかんじ。」
と、片付けるために集めてたボールでフリースローをする。
ボールはリングの内側を沿うようにクルッと回ってゴールし、鈍い音を立てた。
「ほら、このゴールみたいな。」
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