赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
『なにポエムチックになってんのよ。』冷静に突っ込まれて膨れる。
「えー、だってー。」
「だって、じゃない。
ほら、片づけるよ。」
『大体、根拠がないじゃない。』
ボソッと言われた言葉に、今度は抵抗しなかった。
・・・だって、って言っちゃうから。
むー。
あたしの第六感なんて言ったら、『あてになんない』とか言われそうだしな。
大人しく、手を動かした。
告白してないのは本当かもしれない。
けど。
そうだとしても。
絶対なんか変わってる。
変だ。
拾い上げたボールを乱暴にカゴに入れる。
乱暴に入れられたそれは、他のボールに当たって大きくバウンスをした。
あー、もう。
倉庫に入ってボールを入れ直す。
もちろん、乱暴に。
「なぁーに荒れてんの。」
少しだけ甘い声のする方を見ると、
「あ。」
哲先輩が笑っていた。
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