赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
「・・・え、『哲先輩』?」
「そーだっつってんじゃん。」
なんなんだっつーの。
そんなにあたしがコクられてんのがめずらしいか。
・・・・・・いや、めずらしいだろ。
「あそ。
・・・で?」
「は?」
「どーせ、返事してねぇんだろ?」
あ、やっぱバレてんのか。
その後のことは、よく覚えてなくて。
哲先輩が楽しそうに話してるのに頷いてたけど。
何話してたかなんて全然耳に入ってなかったから、わかんない。
『そんじゃ!』
その声で気づいた時には、分かれ道に立ってた。
「ま、急がなくていんじゃね?」
「え。」
「すぐ答えほしいとは言われてねーんだろ?
どーせお前の頭ん中はこんがらがってんだから。
ゆっくり考えりゃいーんじゃん。」
・・・やっぱ、翔ちゃんはすごい。
人の心読むの上手いよなぁ。
『占い師になればいーのに。』
そうつぶやいたら、なぜか思いっきりキレられた。
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