赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
それから前ちゃんは、あたしにファイブプリンスの良いところを教えてくれた。
キョロ介はサポートが上手くて全体が見えている。
哲先輩はジャンプ力と瞬発力がずば抜けて優れてる。
龍ちゃんは反射神経がよくて、器用。
俊先輩はかなり知能が高く、的確な判断力がある。
翔ちゃんは得点率が特に高い。
それと、こんなにオーラがあるプリンスの中でも一番強い圧力がある。って、前ちゃんは笑った。
『あいつ、怖い顔するからな。』
その嬉しそうな前ちゃんを見て、ついあたしも笑っちゃった。
圧力っていうのはつまり、って前ちゃんは
あたしにもわかりやすいように教えてくれる。
翔ちゃんは勝ちの空気に持ってくのが上手い。
空気を自分のチームに持ってく迫力があるんだ、と。
そしてその空気に流れをつくるのが上手なのが、俊先輩で。
その“勝ち”の雰囲気を、皆に浸透させることができるだろうって。
後はそれをプレイに繋げるのが大切で。
シュートやドリブルに繋げることはできるんだけど・・・
「パスは、ダメ?」
「いや、ダメではない。
ただ、パスになった途端その勢いが弱くなってる。
敵にそこを見極められて攻められる。
それが今のあいつらの欠点だ。」
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