赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
そうきっぱりと言った前ちゃんは、練習後に全員を集めて言った。
「女バス、まだシュート率が悪い。
ここぞって時に決められるように、試合形式でシュートを鍛えろ。
男バスは、明日からパス練習の割合を増やす。」
突然の提案に、皆戸惑ってる。
特に龍ちゃん以外の一年生は。
「いいか。
お前ら全員、試合中名前を呼ぶな。」
少し間が空いてから、バラバラに「はい」と返事が聞こえてくる。
前ちゃんがこんなこと言うの初めてだから。
皆きっと、驚いてんだ・・・
「女バスは名前呼び合ってなかったからそのままで行けるが。」
と、男子の方を向く。
「お前らにとってはやりづらくなる。」
あれ。
それを今からやって、次の練習試合間に合うのか?
もう、かなり時間ないと思うんだけど。
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