赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
ファイブプリンスは、やっぱり強くって。
次々と点が加算されてく。
けど。
「あ゛っ!」
哲先輩が投げたパスは、キョロ介が間に合わなくて、
ライン外へ転がっていこうとするボールを捕った龍ちゃんは、俊先輩に投げて・・・
バシッ
それをパスカットしたのは、翔ちゃん。
「・・・あー、とられた。」
ボソッと呟くあたしに見せつけるみたいに、あっさり3P(スリーポイントシュート)を決められる。
・・・くっそー。
せっかくの俊先輩の華麗なるシュートが。
「・・・春先輩、加点!」
こそっと近くに来ていた龍ちゃんに言われて、今度は間違えないように哲先輩側に点を入れる。
やっべー、また忘れちゃってた。
「・・・春、一回止めろ。」
「えっ?」
突然でビックリして隣を見上げると、
前ちゃんが腕組みして、こわーい顔していた。
げっ。
・・・もしかして、怒っていらっしゃいます?
あれか、あたしが得点入れ忘れるからか。
いやーっ、待ってー!
皆の前で怒られんのはキツいー!
ビクビクしながらタイマーを一時停止すると、
ピーーーーーー!!
「うわぁ!」
勢いよく前ちゃんが笛を吹いた。
「集合!」
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