赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
怒られるのはあたしかと思ってたけど、違った。
「哲、投げる方向決めるのは焦るな。
速く、的確にだ。
焦ったら方向ずれるぞ。」
「ハイ。」
「キョロ、もっと先を読め。
パスが来やすい位置に入り込めるように逆算しろ。」
「・・・はい。」
「龍、お前はパスするまでの時間が長い。
アイコンタクトなんざ取ってたら間に合わんぞ。」
「はい!」
「翔太、3P決められるからって調子に乗るな。
いざって時に使え。
もっと周りをよく見ろ。」
「・・・・・・・・・はい。」
あー、ピリピリしてるなー。
みんな、言葉少なすぎるでしょ!
・・・こんなんでチームワークとか大丈夫なんかなー。
「じゃあ俊、後は頼んだ。」
「はい。」
それだけ言うと、前ちゃんはさっさと体育館を出ていってしまった。
さすが俊先輩。
何も注意されない上に任されたよ。
・・・・・・えっ!?ちょっと待って!
前ちゃん、何で出てくの!?
振り返ると、俊先輩が他の男バスに改善点を言っていて。
ファイブプリンスは個人練習を始めてる。
・・・え、あれだけでよかったの?
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