赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−
ファイト
「ねぇ、春。 私ら試合には出ないんだよね?」
いきなり絵梨がそう言ったのは、大好きなソーセージパンを頬張ったときだった。
「ふぇ? あ、じょばふ?」
口いっぱいでちゃんと話せてないあたしへの反応はなくて、ただ頷くだけ。
これは普通じゃないと思って、とりあえず牛乳で飲みこんだ。
「っ。マネは出ないよ?女バスは人数少ないけど、補欠も出るくらいだし。
マネは対戦相手も作らなきゃいけないから参加してるだけで。
ほら、あたしなんかほとんど参加できてないし。」
「それなんだよ。」
「ん?」
絵梨の顔がどんどん暗くなってく。
「春。もしかしたらあんた、女バスに嫌われ始めてるかも。」
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