to Home!!
今は我慢しよう…





─…




「未裕ー?起きなさーい。学校ですよー、って…え!!?」



次の日の朝。

祐也さんが、お母さんみたいな口調で私の部屋に入ってきた。




そんな彼は入ってくるなり起きている私を見て、絶句する。




なんか失礼だな…



「私が起きてるのがそんな珍しいデスか?」





わざとらしい言い方で言ってやった。




「あ…いや、うん…」


あれ?

なんか元気ない?




「祐也さん?」


そんな反応されたらちょっと今の言動に後悔するじゃん!!




「朝ごはん出来てるからね」


「え、あぁ…はーい」


コロッと明るい表情に戻した祐也さん。




私が起きてるのがそんなに変だったの?




と、思いつつ、私はこれまで通りに朝を過ごした。



「いってきます」


「いってらっしゃい」



その声にニコッと笑って私は家を出た。




学校に遅刻ギリギリにつき、チャイムがなる10秒前に着席できた。



ふぅ…なんとか間に合った。




安堵のため息と共に、誰かに紙くずを投げられた。



いたっ!

なにコレ…?




グシャグシャに丸められた用紙を広げると…





『俺いいこと思い付いた!後で俺の席来いよ。』


飛んできた横方向を見ると、ニヤリと笑う榊がいた。



お前が来いよ!!


とは思ったが、まあ仕方なく「了解」とその紙に書いて、また丸めて黒板に向き直った榊の頭目掛けて投げた。




まぁ、それは言うまでもなく見事命中。




< 112 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop