to Home!!
するとその時…



「矢野ーっ!!お前、朝渡した紙のこと忘れてんじゃねーよ!!」



びくっ!?





廊下の奥から聞こえた榊の声に体が反応した。




「しまった!すっかり忘れてた!!」



そういやなんか言われてた気がする!



「あーあ。あれ、怒ってるっぽいよ?」



あきれた顔のノンが私の肩に手を置く。




はぁ…またですか…。

勘弁してくださいよ、榊さん。




「とりあえず、私は先に帰ってるね。ご検討をお祈りします」


「えっ!?ちょ、ノン!!待って…」



あぁー…


行っちゃった…。






「おい!人に了解っつっといて、ほったらかしかよ!?」



「ほ…?」



ほったらかし?

なんか榊のキャラで、そんな寂しさを連想させるような、可愛い言葉を使われると笑っちゃう…





思わずニヤニヤしそうになる顔を片手で押さえる。



すると



ぐいっ



榊は急に私のもう片方の腕を掴んだ。







「来いって!」

「は?えっ、ちょっと!」


私の言うことをすべて無視して先を歩いていく榊。




今度は何なんですか!!











着いたのは自分たちの教室。




ノンはもう帰ったらしく、鞄が見当たらない。





「座れよ」


榊は自分の座った席の後ろを指して言った。





「はい?」


「俺にんな生意気な口きける権利、お前にはねぇ」




「…」



何様よ、こいつ。





仕方なく腰を下ろす。




「…で、話って?」










「…あいつ………を…好きなんだろ?」






なんで誰もいない教室でわざわざ小声でしゃべるの?

聞こえなかったっての…




「え?」



「だから!!」



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