to Home!!
ピンポーン…



笑いが静まった部屋にインターホンの音が鳴り響いた。



「え?誰?」


「誰だろ?」


裕也さんはそう言いながら立ち上がり、玄関に向かう。













何…なんか

なんか嫌な予感がする


あの扉の向こうにいる人…





ざわざわする



開けちゃだめだ。












「祐也さん、行っちゃ…」


"やだ。"


が言えなかった。

あと2文字の言葉がのどに突っかかって、言えなかった。












ガチャ



「はーい、どちら様…」
























ほら…やっぱり。


この家に帰ってくるんじゃなかった







不覚にも、そう思ってしまった。








またもや、私の視界はスローモーションで流れる。






音も聞こえないほどの衝撃だ。










「え…」



「ふっ…ひっく……」






廊下を伝って、何も聞こえないフリをした私に届いたのは









不意をつかれた祐也さんの声と

あの人の泣き声だった。



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