to Home!!
はっきりと私を呼んだ人が見えた。


でもまた滲んで見えなくなった。













「矢野」


頭の後ろに手を添えられて、座っている私は目の前に立っているそいつにもたれかかった。

















榊……、私…





「………動けなくなっちゃった…」










勝手に漏れた声が引きがねとなって、声を殺して泣いた。
















榊は黙って理由も聞かず、そばに居てくれた。



それが崩れそうな私の大きな支えとなった。






──


「もう落ち着いたか?」


「…うん、ありがとう」




だいぶして、落ち着いてから余裕が出来たのか、急に泣いてしまった自分が恥ずかしくなって、自然と顔が赤くなった。





「……」

「…」


「…あいつに泣かされたのか?」



「え?なんか言った?」


周りがざわついて聞き取れなかった。



「っや、やっぱなんでもねぇ!」

「…そう?…そういえばさ、榊に初めて会ったのも確かここら辺だったよね」



「あ、ああ。あん時のお前、すんげー飢えた顔してたもんな」


「うるっさいなー」



「ヤンキーにからまれてたよなー」



「うん」





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