to Home!!
なんか調子狂う…


気付けば榊に普通に接している自分がいた。




「こんなとこじゃなくて、もっと楽しめるとこ行くぞ!」


「は?どこ行く…」


喋っている最中に腕をぐいっと引っ張られた。




走り出した榊に腕を捕まれているのもあって、ついていくしかない。


そう仕方なくのつもりだったのに


一人じゃない安心感と

今、自分の足で気持ちいい風に当たりながら走ることで、自然と何かが軽くなった気がした。







「ほら!入んぞ!!」


「えっ!?ちょ…えっ!?ここって…」


「見りゃわかんだろ、ゲーセンだよ、ゲーセン」



それくらいわかるわ!


とか思いつつ、なんとかこらえた。



「定番ゲームでもやってくか」



中に入ると、榊は店内のゲームを見渡して1番やりやすそうな簡単なやつを進めてきた。


手慣れた操作だし…


「そーとー通い慣れてるんじゃ…」

「たりめーだろ。ここなしでどこでストレス発散すんだよ」




榊はここで発散してんのか。


私のストレス発散方は祐也さんと喋ったり、楽しく過ごすこと自体なのに…




「…」



自分でも気づかないうちに、下を向いていた。



「……」



榊はそんな私を気にしてか、声をかけてきた。



「んなぼーっとしてっと、すぐ倒されんぞ。あ!ほら!!」


「えっ!?」


そう言われて意識をゲームに戻す。



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