to Home!!
─…


「うわっ、なにこれ!あーっ!!」


「ははっ、弱ぇー」


「うるっさいなぁ…次は絶対勝つ!」


「おーおー、がんばれ」



かなりはまってしまった私はなかなかクリア出来なくて、ムキになっていた。



しばらくすると画面に『win』の文字が表示された。




「あっ!!やった!!勝ったー!!!」


今まで真剣に取り組んだからか、嬉しくて跳び跳ねて喜んだ。


私はそのまま後ろにいた榊に振り返った。




「榊!見た!?」


「ああ」



榊は一瞬目を見開いたが、すぐ笑った。



その笑い方がやけに大人びて見えたもんだから、少し知らない人に見えてドキッとした。



「な、なに…」



「よかった、お前の元気戻って」



笑顔のままの榊が言った。


私は榊のしてくれた事の意味を、その言葉で理解した。





私、笑えてた。

榊のおかげで裕也さんとの事忘れてた。


楽しかった。


「…………ぁりがとぅ…」








「え?聞こえねー、もっかい言って?」


「なっ!?もう言わない!」


「あっ、おい…ったく」



未裕は少し照れたのか、榊に背中を向けて歩き出した。



榊はそんな未裕の背中を見ながら、自然と笑みを浮かべるのだった。



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