to Home!!
「おいしそう。くれるの?」


「うん、だってその為に作ったし…」


「うん、おいしい」



少し照れながら必死にアピールするようになった私。

祐也さんには全く変化なし。


さっきからニコニコして頬張っている。






こんなに頑張ってんのに、少しくらい頬染めるとことか見せてくれたらいいのに…





と、こんな風に少しベタながら、頑張っている。


私の中では大きな変化なんだけどなぁ…




「ねぇ未裕…」

「なにー?」



「なんでこんなにお菓子作るのは上手いのに、料理は出来ないの?」


…カッチーン…



「祐也さん…?」


「ん?」



祐也さんは少し半笑いで私の目を見た。



「なに?そんな怖い顔でみないでよー」


「誰だって今のは怖い顔するし!!」


わざとか!


お菓子作りは楽しいけど、料理は祐也さんの方が上手だから、作りたいとは思わないんだってば!




─…



「模擬店なにするー?」


「えー、普通に焼きそばとかでいんじゃね?」

「俺もそれでいいと思うー」



最近、学祭が近いということで、クラスでの出し物の話題でもちきりだった。



「どーでもいいから早く終われっつの!」


斜め前の席の榊が姿勢を悪くして席に座わりながら、文句を言っている。



「んじゃ焼きそばで決定ー!」




うわ…!!

かなり投げやりで決めやがった!!



真剣に悩んでいた私はガックリしながら話を聞いていた。



「ミヒロ!」


後ろの席のノンに呼ばれる。


「何?」


「学祭、あの人呼んだら?」


…へっ!?


私はとっさに顔が真っ赤になった。



あの人って、祐也さんだよね…?



「最近、頑張ってるんでしょ?」




あー…そっか。

そういう手があったか。



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