to Home!!

やだ…安心したから…

涙が…。




その人はしゃがんで
私の顔を覗き込み
柔らかい笑顔を見せた。




「大丈夫大丈夫。」



そう言いながら、よしよしと頭をなでてくる。

会ったばっかりなのに、たっぷりの愛情を注がれてるみたいで、嬉しかった。



この年で頭なでなでされるのは、ちょっと恥ずかしかったけど。








私が泣き止むと、自己紹介をしてくれた。

「俺は北坂祐也(キタサカ ユウヤ)。よろしく。」


「私は矢野未裕(ヤノ ミヒロ)です。こちらこそ、よろしくお願いします。」


「未裕か。かわいー名前だね。」


「そんなことは…!!」


いきなり誉められても!!

不意討ちだ…この人。



「真っ赤になっちゃって♪」

「ちょ、からかわないで下さい!!」


「あはは。ごめんごめん。」



そう言って、祐哉さんは私に手を伸ばした。


手を…繋ぐってこと?


「帰ろう、家に。」




帰るという言葉に敏感に反応してしまう。

今、1番安心できる言葉。

「はい…!」


私は涙目ながらも今までにない笑顔で返事をした。



そうして手を重ねた時…



「あ、そっか。」


「…へ?」


いきなり祐也さんがにっこり笑った。


「いや、荷物持つよって意味だったんだけど。そんなに手を繋ぎたかったんだなって。」



!?



そ、そういう意味だったの!?
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