to Home!!
ややあって私は上半身を起こした。
すると不意に固まっていた祐也さんに腕を捕まれる。
「…ほんと」
それだけ呟いて、唇を重ねてきた。
私は思いっきり目を見開いたまま、祐也さんに触れられていることを感じていた。
しずかに離れた祐也さんは私の頬に手をやる。
その温かさに、
祐也さんの優しい眼差しに
やっと、実感が湧いてきた。
「…なに泣いてんの。ここは喜ぶとこでしょ」
本当は私が泣いてる意味なんて分かってるはず。
それでも少しおどけて言うのが彼らしかった。
溢れる涙を止めようとせず、ただ、今までの苦労や、嬉しさが一気に押し寄せてきて思う存分泣いた。
困ったような素振りで微笑む祐也さんの眼差しは、よく見たらいつもと同じ。
いつも、私に向けていた笑顔。
その笑顔の意味がしっかり伝わった今、彼が愛しくてたまらない。
私をちゃんと見ていてくれてたんだ…
静かに背中に回された腕に抱かれ、私はすがり付くように呟く。
「私、も…ゆうやさんが……すき」
何度となく、態度で、言葉で示してきたが
こんなに充実感のある「好き」は初めてだった。