to Home!!
「いないよ」
「…ぇ……?」
「彼女はいないよ、じゃなきゃ未裕はここに居ないでしょ。あの人は元カノなんだよ」
見上げた祐也さんの顔は、笑っていた。
それと正反対に私の顔は目が涙で滲み、歪んでいく。
も…元カノ?
前に付き合ってた人?
嘘つかないでよ。
「で、でも…あの人…"私のユウヤ"って…」
言ってたんだから。
「ああ、聞こえてたのか。あれはあの人の一方的な考えだよ」
一方的って…
祐也さんはうつむく私の頭を優しく撫でた。
「聞こえないように、滅多に出さない声出してまで怒鳴ったのに…」
「え?」
上から聞こえた呟きに反応して顔を上げる。
「俺が無理矢理別れたんだ。彼女とは合わなかったからね…」
なんだか少し…少しだけ
寂しそうな、後悔の入り交じった表情にも見えた。
笑ってるんだけど。
「だからって祐也さんは…追いかけられてるの?」
その私の問いに祐也さんはまた笑った。
「うん。まぁ…」
「そ、そんなの危ないって!す、ストーカーとかって言うんじゃないの!?」
「あはは。そうかも」
そうかも…って
笑い事じゃないでしょ!!