to Home!!
「あー…、うん。ごめんね?」


「いっ、いえ…私は何も…。」



「君のおかげで少し楽になったよ。」



そう言われ、髪の毛をくしゃくしゃにされた。



こうしてみると本当にカッコいい人だなぁ…


どこかしっかりした雰囲気をまとった人。

しゃべり言葉は男っぽさを感じないけど、話し方はしっかりしてて男らしいし、聞く度ドキドキする。




男の人は大きなあくびをすると、私にすっと背を向けた。





「じゃーね。」




あ…


もう会えないと思って何故か寂しさが込み上げてきた。


でも、初めて会ったのはついさっき。




寂しいって思うなんて
いくらなんでもおかしい


私、今
頭の中ぐちゃぐちゃだ





その人を引き留めることなく、私はベンチから黙って見送った。



「…はぁ。」


今日はこれで何回ため息こぼしたんだろ…




そのまま途方にくれ、宛もなくぶらぶらした。


コンビニでパンを買って、歩き疲れた私は、駅前の広場のベンチに腰かけた。



時間の流れがやけに遅く感じる…



やることもなく、ぼーっとしてただけの1日だったなぁ




このままだとホントにヤバいよ



でも、もし家が見つからなかったら…?

見つかったとしても危ない所だったら…?




ネガティブ思考が私の周りをうろつく。







…いや、こんなこと考えてちゃダメだ!



新しい高校生活、楽しむって決めたんだし!




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