14年後予約のプロポーズ☆
鳴海と一緒だったらきっと明るい高校生活を向かえられる!!はず!
クラスに入ると黒板に席順の書いてある紙が貼り付けられていた。
あたしの席は……、窓側の前から三列目の席。
まあまあ良い席じゃない?
隣の席の人は加藤君という男の子。オレンジ色のかかった髪に鼻筋の通った綺麗な顔をしている。
「…誰よ、荒川って女」
「私達の加藤君を取ろうとしたらただじゃ置かないから」
「まあ、きっと加藤君も相手にしないと思うけど」
ゾクゥッ!!背中にものすごい殺気と寒気を感じた。
加藤君ってモテるんだ。まあカッコいいし、その隣の席のあたしが嫉妬されるのも無理はないなぁ……。
約一ヶ月間女子の痛い視線と殺気に耐えなければならないと考えたら気が重くなる……。
幼稚園の頃、加藤君にそっくりな男の子がいたなぁ……。
その男の子は卒園式が終わってから、あたしのこと大人になったら迎えに行くって言った。
幸せにするから、結婚してと、あたしにプロポーズしたのだ。
いつも明るくニコニコしていて、おしゃべりな彼が卒園式には、緊張した顔で顔を真っ赤にさせて、真剣な表情だったので惚れてしまうかもしれないぐらいドキドキしていたのは今でも覚えている。