14年後予約のプロポーズ☆
~悟~

「ただいま」
「おかえり♪ガッコどーだった?」
「ハア……」
「……何でそんなにテンション低いのよ?」
お前のせいだろ。
姉貴がお玉をくるくると回している。
それでも無言の俺に呆れたのか、「……ご飯にしよっか…」と、キッチンへと向かった。
今日の晩御飯はロールキャベツ。
姉貴はこう見えて料理は得意な方だ。
パーマをあてた長く茶色い髪に露出の多い服装、化粧はケバく、はっきり言って、チャラい。
でも、脚は細いし、くびれはあるし、胸もデカイ、フェロモンムンムンな美人である。
そして、何よりすごいのが……、
「悟、クラスに好きなコ出来たでしょ?」
ゲホッ!
口に含んでいたお茶を吹き出してしまった。
「あーあ、汚いわねぇ」
誰のせいだと思ってんだよ……。
姉貴は俺の気持ちを覗きみたように俺の気持ちをピタリと当てるのだ。
でも今のはちょっとおしい。
だって好きなコが出来たわけではない。
もとから9年間片思いしてきたのだから。


―荒川 日向乃……―


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