ツキハナ〜月の花束〜
耳元に、甘く囁く。

「カオ…可愛い声、聞かせて?」

ふるふると、弱々しく首を降る。

下着の中の指先は、その割れ目を、優しく撫でる。 じわじわと、濡れてくる感触。

「──濡れてきてますよ」
ふっ、と微笑を浮かべ告げる。

カァっと、赤くなった頬にキスを落とす。

「カオ…キスしたい…」

唇を覆う両手にもキスを落とし、ねだる。
潤んだ瞳で、しばらく悩んだカオは、ゆっくりと手を離した。

―可愛いカオ。簡単に騙されて。―

離れた瞬間、噛み付くみたいに深くキスをする。
舌と舌を絡め、溢れる唾液をカオの口に注ぐ。

カオがキスに夢中になったのを見計らい、撫でていた右手の指先に力を入れた。

「!んっ…あ、やぁ─」

つぷん、と音をたて、体内に入った指に、カオがビクリと身体を跳ねさせる。

そして、まんまと声を出させることに成功する。

中の指を鈎形に折り曲げ、ゆっくり動かす。

くちゅり、くちゅりという濡れて淫らな音と共に、カオの甘い声が響き合う。
「やぁ…あんっ!ゆび、やぁ!!」

先程まで口元にあったカオの両手は、今や私の背中に回っている。
それが、可愛くてたまらない。

深くキスをしながら、指を激しく動かす。
快感の捌け口を塞ぐような、その行動に苦しそうな表情を見せる。

眉を寄せ、キツク閉じた瞳の端から涙を滲ませている。

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