ツキハナ〜月の花束〜
「リヒト。すぐに、ヒカルとショウを呼べ。」
おもむろに、服を脱ぎながら言うカオに、一瞬目のやり場に困り、視線をずらす。
が、すぐに元に戻す。
カオは、いつもそうだったから。
今までのカオが、偽りだったのだ。
「はい。分かりました。」
命令を遂行するため、部屋を出ようとすると、まて、と止められる。
「シェルは、殺した。悪いな。」
まるで、私を試すような物言い。
無表情なカオの裏にあるものは、読み取れない。
「そうですか。」
だから、思うままに答えることにする。
特に何の感慨も感じなかったので、そのように淡々と答えた。
「仇を取らないのか?」
右の口端を上げ、皮肉を込めてカオは言う。
「……何故ですか?」
あえて、質問で返す。
「………早く呼べ…」
カオも、質問に答えず、退室を促した。
その一瞬、見えたカオの横顔が、妙に気になった。
寂しそうでもあり、怒ってるようでもあり…そして、嬉しそうでもあり。
だからか。答えるつもりがなかったのに、ポロリと言ってしまった。
「私の主人は、カオですから。」
おもむろに、服を脱ぎながら言うカオに、一瞬目のやり場に困り、視線をずらす。
が、すぐに元に戻す。
カオは、いつもそうだったから。
今までのカオが、偽りだったのだ。
「はい。分かりました。」
命令を遂行するため、部屋を出ようとすると、まて、と止められる。
「シェルは、殺した。悪いな。」
まるで、私を試すような物言い。
無表情なカオの裏にあるものは、読み取れない。
「そうですか。」
だから、思うままに答えることにする。
特に何の感慨も感じなかったので、そのように淡々と答えた。
「仇を取らないのか?」
右の口端を上げ、皮肉を込めてカオは言う。
「……何故ですか?」
あえて、質問で返す。
「………早く呼べ…」
カオも、質問に答えず、退室を促した。
その一瞬、見えたカオの横顔が、妙に気になった。
寂しそうでもあり、怒ってるようでもあり…そして、嬉しそうでもあり。
だからか。答えるつもりがなかったのに、ポロリと言ってしまった。
「私の主人は、カオですから。」