ツキハナ〜月の花束〜

-2-  *夢*

夢をみた。

まるで地獄の業火のように燃え上がる屋敷の前。

1人の女性が立ち竦んでいる。
その女性は、茫然と立ち竦んでいたかと思うと、急に気が触れたように笑い出した。

高い高いその声は、笑っているはずなのに、泣いてるように聞こえた。

そこへ1人の男性が近づいてきた。
何か、声をかけてるようだが、その声は聞こえない。
女性が振り向いた。
壊れたように流す涙。
怒りと悲しみ…そして、微かな愛情。そんな感情が入り交じったような瞳。

女性は言った。


「どうして…っ」

何故か、私は分かってしまった。
『ああ。好きな人に裏切られたんだ』
と。



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