【長編】私とあなたは、恋をしない。
「絵里ちゃんと伊緒ちゃんは?」


「絵里は、川野と来るはずよ。
伊緒は、いつも遅いわよ。」


海ちゃんは、どうしても川野くんが嫌みたい。


まあ、疑われる行為をした時点でダメみたい。


羨ましいぐらいに海ちゃんは、真っ直ぐだから。


海ちゃんの彼氏になる人は、大変だな。



「そういえばさ。
海ちゃん、樹くんとどうなの?」


私は、思い出したかのように聞いた。


「えっ?」


海ちゃんの顔が途端に赤くなった。


「海、なんかあったわけ?」


愛ちゃんも愉快そうだ。


だって、海ちゃんのそんな顔滅多にないでしょ?



「なにもないわよ。」


顔と言葉が一致しない。


「教えてくれないなら、樹くんに聞くし。」


「はっ?
えっ?
べ、別に何もないから。
ただ....」


「ただ、なに?」


「あの日は、送ってくれただけ....」


海ちゃんには、相当恥ずかしいみたい。


恋愛関係に疎い感じするからね。
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