【長編】私とあなたは、恋をしない。
逃げない。


大丈夫。


晋平だって、前に進むはず。



私は、瑞希と幸せになりたい。


手放したくない。


瑞希にはっきり言われて気づくだなんて。


私も鈍かったんだな。


こんな熱い想いがあるとか。


ホントに予想外だよ。


「瑞希、ホントに大好き。」


私は、瑞希の腕の中で呟くように言った。


瑞希にその言葉が聞こえたのか抱きしめる腕が少し強くなった。


幸せ。


私と晋平の偽りの生活は、もう終わり。


私が無理だから。


一緒に暮らすのはいい。


けど。


慰め合う関係には戻れない。


弱かった。


晋平のせいにして逃げて。


晋平だって、そうなんだ。


私のせいにして、逃げてたんだ。
< 158 / 233 >

この作品をシェア

pagetop